2005年08月14日
NAFAセミナー夏
今日はNAFAセミナーの講師として、武蔵大学まで行ってcounterplanについて喋ってきました。
ここで補足をしておくと、おそらく受講者の方々にとって難しかったと思うのは以下の点です。
■Fiatについて
本当はcounterplanのfiatについてもう少し喋りたかったんですが、ほとんどの人はfiatそのものを知らなかったため少し詰め込みすぎてしまったかもしれません。
Fiatについてもう一度語っておくと、「Affのプランを採ると仮定すること」です。
ディベートにおいて論題はshouldという単語を含んでおり、これは「すべき」と解釈できます。つまり、ディベートとは「あるactionを行うべきかどうか」を議論する場であります。
「あるactionを行うべきかどうか」を議論する際、「そのactionが行われるかどうか」は関係ありません。実際にactionが行われないとしても、そのactionが行われるべきであれば、論題は肯定されます。逆もまた然りです。
つまり、shouldとwouldを混同してはいけないのです。
この場合、actionが行われると仮定して議論を進めること、またはその概念を、fiatと呼びます。
今日、重点的に話したかったのは、counterplanにこのfiatを与えるべきかどうかなのです。ここからは講義のとおりです。
■Opportunity cost (機会費用)
これは今日僕が言いかけてやめたものです。
機会費用とは経済か何かの用語で、「ある機会を失うことのコスト」と言い換えられます。
Competitivenessのあるcounterplanを採るということは、Affirmative planを採らないということです。また逆に、Affirmative planを採れば、counterplanは採れなくなります。これが機会費用です。
Affirmative planを採ったら、それよりも優れているcounterplanが採れなくなる。つまり、せっかく採れたはずのcounterplanが採れなくなるというdisadvantageをAffirmative planが生じさせると考えます。よって、opportunity costという考え方によれば、counterplanはdisadvantageなのです。
Disadvantageなのだからuniquenessが必要。この場合、uniquenessとは、counterplanが現状で採られることの証明になります。(で、Affirmative planを採るからcounterplanが採れなくなるわけ)。それを証明しない限り、counterplanは認められませんよ、となります。
■Uniqueness generating counterplanについて
Disadvantageにuniquenessがないならcounterplanで作ってしまおうというのが目的です。
今日お話した例でもう一度考えてみましょう。
Aff アジア共通通貨を導入しよう。
Disad 共通通貨を導入すると日本はデフレに陥る
N/UQ 日本はすでに戦後最悪のデフレである
C-P インフレターゲットをしてデフレを解決しよう。
このとき、Counterplanのsuperiorityとinferiorityは以下のようになります。
Sup デフレにならない(=Disadvantageを回避する)
Inf Affirmativeが提示するadvantage全て
つまり、advantage VS disadvantageという図式に何ら変化がないことが分かると思います。違いは、counterplanのもとでは、disadvantageのuniquenessがパーフェクトに存在するということです。
このようにuniqueness generating counterplanはdisadvantageのuniquenessを作り出せるというわけです。
ただしなかなか高度な手法であるため、実際の試合で見かけたことはあまりありません。
セミナーの補足は以上とします。他に質問があったらセミナーで教えたメールアドレスまで気兼ねなくご連絡ください。
で、終了後はNAFAの飲み会についていきました。大藤君が爆走し、ほとんどセクハラのラインを渡り歩いていました。
いやあ、セミナーで100分も喋り続けるとさすがに疲れますね。
ここで補足をしておくと、おそらく受講者の方々にとって難しかったと思うのは以下の点です。
■Fiatについて
本当はcounterplanのfiatについてもう少し喋りたかったんですが、ほとんどの人はfiatそのものを知らなかったため少し詰め込みすぎてしまったかもしれません。
Fiatについてもう一度語っておくと、「Affのプランを採ると仮定すること」です。
ディベートにおいて論題はshouldという単語を含んでおり、これは「すべき」と解釈できます。つまり、ディベートとは「あるactionを行うべきかどうか」を議論する場であります。
「あるactionを行うべきかどうか」を議論する際、「そのactionが行われるかどうか」は関係ありません。実際にactionが行われないとしても、そのactionが行われるべきであれば、論題は肯定されます。逆もまた然りです。
つまり、shouldとwouldを混同してはいけないのです。
この場合、actionが行われると仮定して議論を進めること、またはその概念を、fiatと呼びます。
今日、重点的に話したかったのは、counterplanにこのfiatを与えるべきかどうかなのです。ここからは講義のとおりです。
■Opportunity cost (機会費用)
これは今日僕が言いかけてやめたものです。
機会費用とは経済か何かの用語で、「ある機会を失うことのコスト」と言い換えられます。
Competitivenessのあるcounterplanを採るということは、Affirmative planを採らないということです。また逆に、Affirmative planを採れば、counterplanは採れなくなります。これが機会費用です。
Affirmative planを採ったら、それよりも優れているcounterplanが採れなくなる。つまり、せっかく採れたはずのcounterplanが採れなくなるというdisadvantageをAffirmative planが生じさせると考えます。よって、opportunity costという考え方によれば、counterplanはdisadvantageなのです。
Disadvantageなのだからuniquenessが必要。この場合、uniquenessとは、counterplanが現状で採られることの証明になります。(で、Affirmative planを採るからcounterplanが採れなくなるわけ)。それを証明しない限り、counterplanは認められませんよ、となります。
■Uniqueness generating counterplanについて
Disadvantageにuniquenessがないならcounterplanで作ってしまおうというのが目的です。
今日お話した例でもう一度考えてみましょう。
Aff アジア共通通貨を導入しよう。
Disad 共通通貨を導入すると日本はデフレに陥る
N/UQ 日本はすでに戦後最悪のデフレである
C-P インフレターゲットをしてデフレを解決しよう。
このとき、Counterplanのsuperiorityとinferiorityは以下のようになります。
Sup デフレにならない(=Disadvantageを回避する)
Inf Affirmativeが提示するadvantage全て
つまり、advantage VS disadvantageという図式に何ら変化がないことが分かると思います。違いは、counterplanのもとでは、disadvantageのuniquenessがパーフェクトに存在するということです。
このようにuniqueness generating counterplanはdisadvantageのuniquenessを作り出せるというわけです。
ただしなかなか高度な手法であるため、実際の試合で見かけたことはあまりありません。
セミナーの補足は以上とします。他に質問があったらセミナーで教えたメールアドレスまで気兼ねなくご連絡ください。
で、終了後はNAFAの飲み会についていきました。大藤君が爆走し、ほとんどセクハラのラインを渡り歩いていました。
いやあ、セミナーで100分も喋り続けるとさすがに疲れますね。
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この記事へのコメント
1. Posted by すどう 2005年08月25日 05:01
桜井さん、参考になりました。あまりにわかりやすかったのでコピペして保存しました。
2. Posted by Jocelyn 2014年03月18日 18:24
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